「レポートで高評価を取りたい!」そう思う学生は多いのではないでしょうか?
高評価を得るには、大学教員が評価するポイントを押さえておく必要があります。
この記事では、現役大学教員の酒井宏平が、高評価レポートの3つのコツを紹介します。
この3つは非常に重要だけど、知られていないので、要チェックです!
YouTubeでも視聴できます。
1つ目は、タイトル
よく書けている高評価レポートはタイトルが素晴らしいです!
タイトルを見るだけで、レポートの内容までわかってしまう!
タイトルだけ、である程度評価をつけられるくらいに、いいレポートと悪いレポートには違いがあります。
B以上か、C以下かくらいは判別できます。
学生が書くタイトルは大きく5パターンあります。
タイトルがないパターン
タイトルがないケースは意外に多いです。
内容に必死になりすぎて、時間がなくて、タイトルを書き忘れたのかもしれません。
昔から、教授がよく使うギャグに、「題(だい)がないから、台(だい)無しだ」というものがあります。
昔から題を書かない学生がいたわけですが、本当に台無しなので、必ずタイトルを書きましょう。
講義名パターン
例えば、政策学概論という講義でレポート課題が出たとしたら、このパターンでのタイトルは「政策学概論中間レポート課題」などになります。
このパターンは、題がないよりマシですが、評価としては題がないパターンとほとんど変わりません。
疑問系パターン
疑問系パターンの例は、子どもとスマホをテーマにしたレポートだと、「子どもとスマホの関係はどうあるべきか?」のようなタイトルです。
これ、映画の予告とかならありだと思います。映画予告で、誰が犯人かを言いませんし、結末を言いません。それは、実際に映画を見たときに知るべきことです。
しかし、これはレポートです。パッと見て、パッと理解できて、パッと納得する、そういうことが求められます。
この疑問系タイトルの悪い点は、主張が見えないことです。
「どうあるべきか?」という疑問があるのに、タイトルにその答えが示されていません。
その結果、「しっかり考えられていないレポートなのかな?」という悪い印象を持ってしまい、評価が低くなります。実際、そうですし・・・。
あり方パターン
疑問系タイトルと同じく多くの人が使うのが「あり方」というワードです。
先ほどのスマホと子どもをテーマにした場合、あり方系タイトルは「子どもとスマホの関係性のあり方」などがあります。
このあり方系タイトルも、評価は低いです。
なぜなら、理由は先ほどの疑問系タイトルと同じです。
「タイトルに、あり方が何なのかが示されていないから、きっと内容はぐちゃぐちゃで、書いた本人も何言ってるかわからないような内容なんだろうな・・・」と想像してしまいます。
そして、実際にそういうことが多いです。
タイトルに答えが書いてあるパターン
僕・酒井が評価するタイトルは、タイトルに答えが書いてあるパターンです。
タイトルを見ただけで、「あぁ、この人はこの問題に対して、こう主張したいんだな!」とわかるタイトルです。
例えば、「子どもに対するスマホ教育の可能性」というタイトルであれば、「子どもにスマホ教育をしっかりやるのであれば、子どもでもスマホを持っていい」という主張だなと想像できます。
制服自由化や選択化などの話についても考えてみましょう。それぞれのタイトルは以下のような感じになるでしょう。
- 疑問系「制服制度はどうあるべきか?」
- あり方系「制服制度のあり方」
- 答えが書いてある系「制服自由化によるファッションセンスの向上」
どうですか?
3の「制服自由化によるファッションセンスの向上」であれば、「制服を自由化すれば、毎日着る服について考えなければならないから、おかげでファッションセンスが向上するんだ!」という主張とわかりますよね。
タイトルにあなたの主張や答えを書きましょう。
2つ目、章のタイトル
これは、先ほどの「タイトル」と似た話です。
通常、レポートは3つで構成されます。
- 序論 1〜2章
- 本論 3〜4章
- 結論 まとめ
そして、評価の高いレポートは、本文を読まなくても、その章の内容がわかります。
例えば、「背景」、「はじめに」のような章タイトルだと、何について書かれているかわかりませんよね?
でも、もしも「増え続ける政治家への不信感」だったら、この章では「市民が政治家に対して不信感を抱いていて、それがどんどん増えている!」と言ってるんだとわかりますよね。
また、「考察」という章タイトルだと、これも本文を読まないとわかりませんよね?
でも、これが「限界集落のおもてなしから見えるコミュニケーションの重要性」だったら、この章では「限界集落のおもてなし事例を分析して、コミュニケーションが重要なんだ!」と主張してるんだとわかりますよね。
重要なこととして、タイトルには、やったことを書くのではなく、わかったことを書くようにしましょう。
章のタイトルが「考察」だと、それは「考察したよ」とやったことを書いているわけです。
一方、「コミュニケーションの重要性」であれば、「コミュニケーションが重要」とわかったことが書かれています。
文献調査、インタビュー、比較、分析のような、やったことをタイトルに書く必要ありません。だって、それをやるのはレポートでは当然のことです。
なぜ良いレポートのタイトルは優れているのか?
答えは簡単です。自分自身が、何を書いたのかわかっているからです。何を書いているのかわかっているから、内容を的確にタイトルにすることができるわけです。
一方で、悪いタイトルを書いている学生は、自分自身が何を書いているのかわかっていません。わかっていないので、自分の主張もわからず、タイトルを作ることができません。
自分自身が何を書いたかわからないレポートを、他人である大学教員が読んでも、さっぱり理解できません。理解できないので、そのレポートは低評価になります。
だから、良いタイトル=良いレポートと言えるわけです。
引用 ≒ 参考文献の数
最後が、引用です。これは参考文献の数と言っても良いと思います。
引用とは、「他人の言葉で物事を説明する」ことだと思ってください。レポートの場合、「他人の言葉であなたの主張をする」ことが多いです。
突然ですが、今から3人紹介します。
英語が得意です。(認定書を見せながら)TOEICは950点です。
英語が得意です。(合格証明書を見せながら)英検1級を持ってます。
英語が得意です。本当です!英語が得意なんです!(声だけ強く大きい)。
さて、どの人が1番説得力がないでしょう?
間違いなく、最後のCさんではないでしょうか。
さて、引用をしていない人はどなたでしょう?
Aさんも、Bさんも、TOEICや英検という自分以外の他者の仕組みを引用して、英語の能力を証明できています。しかし、Cさんは英語ができる根拠を示していません。
つまり、引用をしていないと言うのは、Cさんのように主張だけを叫んでいる状態です。
そして、そういうレポートは証拠に乏しく、説得力がないので、引用していないレポートの評価は低くなります。
逆に、引用をしっかりしていれば、評価は高くなります。引用の数が多ければ多いほど、客観的な言葉で書かれたレポートになるので、内容が正しいと感じられ、評価が高くなるというわけです。
なので、たくさん引用して、参考文献リストにたくさん文献を書き並べましょう。
引用がなかなかできない人にオススメな方法
とは言っても、引用は難しいものです。自分が言いたい主張と同じ主張の文献を見つけることは、慣れるまでは至難の業です。
引用がなかなかできない人は、当たり前のことから引用するようにしてみましょう。
例えば、子どもとスマートフォンの関係についてレポートを書くのであれば、「スマートフォン」のような誰でも知っていることから引用してみましょう。
例えば・・・
スマートフォン(smartphone)は、パソコンの機能を併せ持ち、インターネットとの親和性が高い多機能携帯電話のことです。
NTTという日本最大の通信企業のHPから引用したので、信頼性も抜群です!
こういうことを繰り返していくと、やがて引用の使い方がわかってくる時が来ます。まずは、何でもいいから引用することから始めましょう。
まとめ
大学教員が高評価するポイントを3つ紹介しました。
- タイトル
- 章のタイトル
- 引用
どれも基本的ですが、できている人はこの3点がしっかりできています。
ぜひ、この3つのコツを押さえて、レポートで高評価をもらいましょう。