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アンケート作成のコツ4選:実践的な例を使って大学教員が解説

講義

アンケートを作ることは難しくありません。この記事を読めば、アンケート作りに必要な考え方を理解するだけでなく、身につけることが可能です。

なぜなら、アンケートの作り方については抽象的な解説は多いですが、この記事ではもっと実践的で具体的な例を使って、4ポイントにまとめたからです。

酒井
酒井

たくさんの調査・研究を実践した現役大学教員の酒井宏平が丁寧に解説します。

これで、あなたもアンケートのスペシャリストです!

リサーチクエスチョンと仮説を作る

アンケート作成にあたって「目的をはっきりさせることが重要だ」という人がいますが、目的をはっきりさせるだけでは、アンケートは作れません。

アンケートを作るには、リサーチクエスチョンと仮説が不可欠です。

リサーチクエスチョン

リサーチクエスチョンとは、基本的に、研究を通して探求する課題のことを指します。

引用元:リサーチクエスチョンへの回答は、論文のどの部分で示すものですか? | エディテージ・インサイト

大学生
大学生

調査するだけなのに、わざわざリサーチクエスチョンがいるの?

酒井
酒井

はい!必要です。そうでないと、あなたの調査失敗しますよ!

リサーチクエスチョンとは、「なぜ?」「どうして?」「どうなっているのか?」などの疑問を指します。

例えば、大学では留学に行く人もいれば行かない人もいます。それはなぜでしょう?

つまり「なぜ留学に行った大学生は、留学したのか?」というリサーチクエスチョンを立てることができます。

酒井
酒井

しかし、リサーチクエスチョンだけでは、アンケートは作れません。次に説明する仮説が圧倒的に重要です。

仮説

仮説とは、物事を考える際に「最も確からしいと考えられる仮の答え」のこと。

引用元:仮説|グロービス経営大学院 創造と変革のMBA

仮の説を仮説と呼びます。リサーチクエスチョンに対する仮の答えのことです。

先ほどの「なぜ留学に行った大学生は、留学したのか?」に対して、事前に仮の答え(仮説)を用意する必要があります。

では、どんな仮説があるでしょう?

例えば、「留学に行った学生は、子どもの頃から海外に行く機会が多かったのではないか?」という仮説を作ることができます。

つまり、子どもの頃の海外旅行経験が原因で、留学という結果を生み出したという仮説です。

ここで重要なことは、仮説は「留学に行った学生は」という前半の部分と、「子どもの頃から海外に行く機会が多かったのではないか?」という後半の部分に分かれるということです。

酒井
酒井

仮説の下に、作業仮説というものを準備する必要がありますが、今回は割愛します。

仮説から質問文を作成する

リサーチクエスチョンと仮説ができたら、アンケートの質問文を作ることができます。

さて、仮説は、前半と後半の2つに分かれています。

そして、前半は結果、後半は原因という構成になっています。

前半(結果)と後半(原因)の2つの部分をそれぞれ質問文に落としていくだけです。

仮説の前半を質問文化

「留学に行った学生は、子どもの頃から海外に行く機会が多かったのではないか?」の主語にあたる「留学に行った学生は」を質問文に落とします。

  • 問1. 留学に行ったことはありますか?
    • はい
    • いいえ

これでおしまいです。

仮説の後半を質問文化

仮説の述語にあたる「子どもの頃から海外に行く機会が多かったのではないか?」を質問に落としましょう。

  • 問2. 子どもの頃から海外に行く機会が多かったですか?
    • はい
    • いいえ

これで終了です。

アンケート回収後に結果を比較する

問1「留学に行ったことはありますか?」に「はい」と答えた人と「いいえ」と答えた人について、問2「子どもの頃から海外に行く機会が多かったですか?」で「はい」と答えた割合を比較します。

上図のように、留学に行ったことある人の方が子どもの頃から海外旅行へ行く機会が多かった(「はい」と答えた人が多かった)という結果が出れば、あなたの仮説は実証され、仮説から説へと格上げされるわけです。つまり、新しい説を発見したわけです。

酒井
酒井

これで無事アンケート終了と思うかもしれませんが、ここまでの説明ではまだ不足しています。次の内容も必ず読みましょう。

回答者の負担を減らす

  • 問2. 子どもの頃から海外に行く機会が多かったですか?
    • はい
    • いいえ

さて、先ほど例として示した質問文ですが、この回答は答えやすいですか?

子どもの頃に海外へ行ったことないから、「いいえ」即答だった。

私は、小学生の時に1回、中学生の時に2回、海外に行ったことあるけど、多いと言えるのかな?

そもそも、「子どもの頃」って、いつまで?

海外へ行ったことがなければ、簡単に「いいえ」と回答できますが、子どもの頃に海外旅行に行ったことがある人からすると、「海外に行く機会が多かった」とはどれくらいから多いと言って良いのか迷います。

このように、回答する際に、少し考えてしまう質問文は避けるべきでしょう。

また「子どもの頃、何回海外へ行きましたか?」のような質問も、回答するのが難しいのでやめましょう。

みんながみんな、全ての出来事を正しく覚えているわけではありません。子どもの定義が18歳までだとしたら、18年間の出来事を全て正しく思い出せるでしょうか?簡単に思い出せるでしょうか?

大学生
大学生

じゃあ、なんと聞けばいいの?

例えば、「子どもの頃に、海外に行ったことがありますか?」とすれば、1度でも行った記憶があれば「はい」と答えられるので、答えやすくなります。

また、「中学3年間で」「中学〜高校6年間で」などと期間を狭めれば、思い出さなければならない期間が限定されて答えやすくなるかもしません。

酒井
酒井
正解はありませんので、アンケート調査前に友達に答えやすいかどうかを確認してもらって、アドバイスをもらうことをオススメします。

回答がバラけるようにする

せっかく完成したアンケートも、あることが起きてしまうと悲惨なことになります。

それは、回答が偏ることです。

例えば、以下の質問に100人の人が回答してくれたとします。

  • 問2. 子どもの頃から海外に行く機会が多かったですか?
    • はい
    • いいえ

そして、100人中100人が「いいえ」と回答しました。

酒井
酒井

残念ながら、回答が偏ってしまうと、分析できません。

なぜなら、「留学に行こうが行くまいが、子どもの頃に海外へ行った機会が多くない」という結果だからです。

そして、これでは、仮説が間違っていたのか、それとも質問文が悪かったのかわかりません。

そのため、アンケートでは、回答が、ある程度バラける質問文にする必要があります。

酒井
酒井

アンケート調査前に、友達に回答してもらって、回答の傾向を把握し、回答が偏りそうなら、質問文を修正しましょう。

まとめ

こうして、アンケートは作られています。テキトーに質問を並べているわけではありません。

他にも、属性情報(性別や年齢など)は最後に聞いた方がいいとか、いろいろありますが、ここで紹介した4つのポイントを押さえておけば、かなり良質なアンケートを作れるはずです。

ゼミや卒論、さまざまな調査でぜひとも活用してくださいね。

仮説を検証する方法として、以下の記事では、クロス集計表を紹介しています。ぜひ読んでください。

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酒井宏平の研究室:城西大学 現代政策学部